2026.11.02
窓の結露
こんにちは、林です。
11月に入り、朝晩はだいぶ冷え込むようになってきましたね。
これから冬になると、窓の結露が気になる方も増えてくるのではないでしょうか。
朝起きてカーテンを開けたら、窓ガラスがびっしょり。
毎朝タオルで拭いているという方もいらっしゃるかもしれません。
結露というと、室内の湿度が高いからとか、窓の断熱性能が低いからと考える方が多いと思います。
もちろん、それも原因の一つです。
ただ、実はもう一つ、意外と知られていないことがあります。
それが、カーテンを閉めることで窓の表面温度が下がるということです。
カーテンには寒さを防ぐための役割もあります。
でも、そのカーテンが窓を冷やす原因にもなっている。
少し不思議な感じがするかもしれません。
今日は、そんなカーテンと結露の関係についてお話ししたいと思います。
家づくりを考えている方だけでなく、今のお住まいで結露に悩んでいる方にも、参考になればうれしいです。
カーテンの裏側はなぜ結露しやすいのか?
カーテンを閉めると窓が冷えやすくなる
冬の室内は、暖房によって暖められています。
当然、窓の近くにも暖かい空気が流れていて、その空気が窓ガラスの表面を暖めています。
では、カーテンを閉めたらどうなるでしょうか。
カーテンが仕切りになって、室内の暖かい空気が窓に届きにくくなります。
一方で、窓は外の冷たい空気の影響を受けています。
つまり、室内の暖かさが届きにくくなることで、窓の表面温度が下がってしまうんですね。
カーテンを閉めると、室内にいる人は窓からの冷たさを感じにくくなります。
でも、カーテンの裏側では窓が冷えている。
ここが少し面白いところです。
カーテンが室内を寒さから守ってくれることと、窓そのものが冷えやすくなることは、矛盾しないんです。
結露は湿度だけでなく温度で決まる
そもそも、結露はどうして起きるのでしょうか。
空気には目に見えない水蒸気が含まれています。
この水蒸気を含んだ空気が冷たいものに触れると、水滴になることがあります。
夏に冷たい麦茶を入れたコップが濡れるのと同じですね。
冬の窓でも、これと似たことが起きています。
室内の暖かく湿った空気が、冷えた窓ガラスに触れる。
そこで空気が一定の温度まで冷やされると、水蒸気が水滴に変わります。
これが結露です。
ここで大切なのは、室内の温度と湿度が同じでも、窓の表面温度によって結露の起きやすさが変わるということです。
例えば、室温が20℃、湿度が50%の場合、露点温度は約9.3℃です。
窓の表面温度がこの温度以下になると、結露が起きる条件になります。
カーテンを閉めることで窓の表面温度が下がれば、結露しやすくなるわけですね。
高断熱の窓でも結露することはある
窓の性能が良ければ大丈夫?
最近の家では、樹脂サッシや複層ガラスなど、断熱性能の高い窓が増えてきました。
参建でも、窓の断熱性能は大切にしています。
窓の性能が高いと、外の寒さが室内側に伝わりにくくなります。
そのため、冬でも窓の表面温度が下がりにくく、結露を抑えやすくなります。
ただし、ここで一つ気をつけたいことがあります。
それは、高断熱の窓でも、条件によっては結露するということです。
例えば、外がとても寒い日。
あるいは、室内の湿度が高くなっているとき。
さらに、カーテンを閉めて窓に暖かい空気が届きにくくなれば、窓の表面温度が下がることもあります。
ですから、窓の性能が高いから結露しない、と単純には言えないんですね。
湿度を下げるだけが結露対策ではない
結露を防ぐために、室内の湿度を下げようと考える方も多いと思います。
確かに、湿度が下がれば結露は起きにくくなります。
ただ、冬はもともと乾燥しやすい季節です。
結露を気にして湿度を下げすぎると、今度は喉や肌の乾燥が気になるかもしれません。
そこで私が大切だと思うのが、窓の表面温度です。
窓の断熱性能を高めることで、窓が冷えにくくなる。
さらに、室内の暖かい空気が窓の近くまで届けば、表面温度の低下を抑えられる可能性があります。
湿度を下げることだけではなく、窓を冷やしすぎないこと。
この両方を考えることが大切ではないでしょうか。
カーテンの結露を減らすためにできること
カーテンを開けると窓の温度が変わる?
今住んでいる家で結露が気になる場合、まず試していただきたいのがカーテンの開閉です。
例えば、朝になって暖房をつけたら、カーテンを開けてみる。
すると、室内の暖かい空気が窓の近くにも届きやすくなります。
日差しが入る窓であれば、太陽の熱によって窓まわりが暖まることもあります。
ただし、夜にカーテンを開けっぱなしにするのがよいかというと、そうとも限りません。
カーテンには、窓から室内へ伝わる冷たさを和らげる役割もあるからです。
大切なのは、カーテンを閉めることが悪いと考えるのではなく、その裏側で何が起きているのかを知ることだと思います。
結露が気になる場合は、開け方や時間帯を少し変えて、窓の状態を確認してみるのもよいですね。
加湿器と換気のバランスも大切
冬は加湿器を使っているご家庭も多いと思います。
暖房を使うと空気が乾燥しやすくなるので、加湿したくなりますよね。
ただ、加湿器で室内の湿度を上げすぎると、窓の表面温度によっては結露が発生しやすくなります。
湿度計を置いて、室内の状態を確認してみるとよいと思います。
また、24時間換気を適切に運転することも大切です。
窓が結露していたら、水滴をそのままにせず、拭き取って乾かしておくことも忘れないようにしたいですね。
窓枠やカーテンが長時間濡れた状態になると、カビなどにつながる可能性もあります。
結露を完全になくそうと無理をするよりも、原因を知って、できることから少しずつ工夫していく。
それくらいの考え方でもよいのではないでしょうか。
家づくりでは窓の性能と空気の流れを考えたい
数値だけではわからない暮らしの快適さ
最近は家づくりを勉強されている方も多く、UA値やC値といった数値をご存じの方も増えました。
断熱性能や気密性能を表す大切な数値です。
私も家づくりをするうえで、こうした性能は大切だと考えています。
ただ、数値が良いことだけが目的ではないんですよね。
例えば、冬の朝に窓が結露しにくいこと。
窓際に座っていても、冷たさをあまり感じないこと。
家の中で温度差を感じにくく、自然に過ごせること。
そうした日々の暮らしにつながってこそ、性能の意味があるのだと思います。
窓の結露も、そんな暮らしの快適さを考える一つのきっかけになるのではないでしょうか。
参建が空気の流れを大切にする理由
参建では、断熱性能や気密性能だけでなく、家の中の空気の流れも大切にしています。
暖房で暖めた空気を、どのように家全体へ届けるのか。
そして、その空気がどこを通って戻ってくるのか。
こうした空気の通り道を考えることが、室内の温度環境にも関係してきます。
私自身、2021年に建てた自宅で、冬の室温や湿度を測りながら、空調の状態を確認してきました。
実際に住んでみると、温度計の数字だけでなく、どこが暖かく感じるのか、どんな場所が冷えやすいのかということにも目が向きます。
今回のカーテンの話も、空気の流れを考えるとわかりやすいと思います。
同じ部屋の中でも、暖かい空気が届く場所と届きにくい場所がある。
その違いが、窓の表面温度にも影響することがあるんですね。
だからこそ、家づくりでは窓の断熱性能だけでなく、空気がどう動くかということも一緒に考えていきたいと思っています。
まとめ|結露を考えると、空気の流れが見えてくる
今回は、カーテンの裏側で結露が起きる理由についてお話ししました。
カーテンを閉めることで、室内の暖かい空気が窓に届きにくくなる。
その結果、窓の表面温度が下がり、結露しやすくなることがあります。
結露というと、どうしても湿度ばかりに目が向きがちです。
でも、窓の温度や空気の流れも大切なんですね。
カーテンは室内の寒さを和らげてくれる一方で、窓の温度にも影響する。
そんな仕組みを知っておくだけでも、結露への向き合い方が少し変わるかもしれません。
これから寒くなる季節。
朝、カーテンを開けたときに、窓の様子を少し気にしてみてください。
身近なところから、家の温度や空気の流れについて考えるきっかけになればうれしいです。