2025.05.30
能登半島の視察を終えて
こんにちは、林です。
このたびの地震で被災された皆様に、心よりお見舞い申し上げます。一日も早い復旧・復興と、皆様のご健康とご安全を心よりお祈り申し上げます。
先日、能登半島の視察に参加してきました。
構造設計で有名な(youtubeでもご活躍されています)佐藤実先生と能登半島に
全国から集まった工務店の皆さんと訪れました。
私自身、大きな地震の経験もなければ、被災地を訪れたこともなく
建築に携わる一人としての視点から、ニュースでは見えない「現地の空気」を肌で感じ
また、自身に置き換えたときに何をすべきか、何ができるかを
もう一度、考え直すために訪れました。
初日は金沢で佐藤先生による座学を受講しました。
能登半島の話と、住宅の構造設計についてです。
翌日、朝5時に金沢駅を出発
進むにつれて道路は舗装されていますがまだガタガタしていて震災の爪痕が多く残る状況でした。
電信柱も真っ直ぐ立っているものを探すのが難しいほど。
金沢から能登半島の先端の珠洲市まで3時間、この距離が復興がなかなか進まない要因の一つです。
珠洲市では建物倒壊、津波の被害もありました。
1m程度の津波により、建物が倒壊して流されてしまう
そんな惨状だったようです。
現地は解体が進んでいて沿岸部はほとんどが更地に。
町ごとなくなっている印象でした。
その後は輪島市門前町に訪れました。
ここは海底の隆起が起こりました。
写真の砂浜は震災前は海の中でした。自然の力を思い知らされます。
伝統的建造物群保存地区となっている
輪島市黒島地区は板張り外壁が美しい街並みも見る影もなく言葉になりません。
写真は載せておりませんが
Googlemapで現地をご覧いただく事はでき
震災前も確認いただく事ができます。
訪れた神社では鳥居が基礎から抜け落ちています。
地震は揺れる幅、時間とその強さによって建物に影響を及ぼします。
今回の地震は大きな幅で強い揺れ、建物にとっても最悪な地震でした。
地震発生は天災、建物倒壊は人災
建築に携わるものとしてこの言葉を重く受け止めなければなりません。
参建の新築は許容応力度計算による耐震等級3+制震を標準にしていますが
まだまだそうでない会社も多いです。
佐藤先生が例でおっしゃっていましたが
車のエアバックをオプションで必要か必要でないかを聞くディーラーはありますか?と
生命を守る設備(住宅でいう許容応力計算による耐震3)は当たり前のように
標準にしていないといけない。
全くその通りだと思いました。
参建はリフォーム、リノベも事業としておこなっています。
もしも、求められなかったとしてもプロとして第一に耐震!
これを参建の正義としてより強く発信していかないといけない
そう思わされた視察になりました。